インナーバッフルの重要性

 <その1> インナーバッフルとは?

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 スピーカーを取り付ける際、車のドアの鉄板とスピーカーの間に取り付けるスペーサーのことです。

 また、バッフルは音エネルギーの道筋を決める為のものでもあります。

 <その2> なぜインナーバッフルが必要なのか?

 最近の純正スピーカーでは初めからスピーカーと一体化している物もあり、

 スピーカーを外すとバッフルも一緒にくっついている物が多くなってきています。

 そのためスピーカー交換をしようとすればバッフル自体も外してしまうことになりますので

 まったくバッフルがない状態になってしまいます。

 そこで、なぜスピーカー取り付けの際インナーバッフルが必要になってくるのかですが、

 まず逆の発想でインナーバッフルを付けずにスピーカーを直にドアの鉄板に付けたとしましょう。

 するとどうなるのか?

 取り付け自体のことから言えば薄型のスピーカーならばドアの内側に干渉せず取り付けできる

 かもしれませんが、特に個性的なスピーカーの多い海外メーカー品になるとスピーカー本体の

 厚みが60mmや70mm以上など分厚いスピーカーが多数あります。

 これらをそのままドアに取り付けるとウインドウガラスを下げた場合確実に接触することになり

 破損の恐れがありますしスピーカー端子が車の鉄板側に接触してショートするとゆう事態にも

 なりますのでとても危険です。

 またスピーカーの内径が車のドアに開いている穴より大きくて初めから入らない場合もあります。

【寸法上の問題もクリアしていたとしてインナーバッフル無しでも取り付け可能な場合はどうなる

 のか?】

 ドアの鉄板に直にスピーカーが付くわけですからスピーカーの振動が直接ドアに伝わり、

 不快なビビリ音や不必要な音の反響などスピーカーの性能がしっかり発揮できなくなります。

 また、スピーカーに合わせた大きさの穴がもともと開いているわけではないのでピッタリと隙間を

 埋めることも出来ず密閉性が悪くなり“フェイズキャンセレーション”を起こす場合もあります。

 ※フェイズキャンセレーションとは:スピーカーのコーンが動くと空気を前後に押すのですが、

 この時スピーカー背面に生まれた音の波は前面の波と位相が正反対であるため、2つの相反した空気の動きは

 殆どの音を消し合ってしまいます(特に低周波域)結果として弱いスカスカの音しか聞こえなくなります。

 この状態をフェイズキャンセレーションといいます。

 そこでそれらのデメリットを解消するのがインナーバッフルとゆうことになります。

 取り付けする車種のドア&取り付けするスピーカーにあわせてインナーバッフルを作成し、

 スピーカーとドアの間にしっかりスピーカーを固定してやることによってある程度の振動や、

 スピーカー裏から発生する背面音を多少なりとも遮ることが出来、音の道筋もそれなりに

 コントロール出来るようになり、結果スピーカーの性能を発揮させてやる事が出来るわけです。

 (ここで数ヵ所あいまいな表現を使いましたが、なぜかとゆうとそれはデッドニングとも関係して

 きますので一概にバッフルだけで全ての効果が出るわけではありませんのでこのような表現に

 しております。)

 以上の点からもインナーバッフルの重要性がわかっていただけるのではないかと思います。

 【バッフルの材質で音は違ってくるのでしょうか?】

 結論から言えば、“ 違ってきます! ”

 では、どうちがうのか?(色は塗らず素地のままの場合)

 一般的なMDFの場合

 <音的には> ドライな感じだが密度感はまずまず。多少軽めの印象だがまとまりのとれた音。

 <加工のし易さは?> 圧縮材のため繊維に方向性がなく加工が楽。

 

 ラワン単板の場合

 <音的には> 軽めな感じの音。また少し希薄な感じが付きまとう。

 <加工のし易さは?> 繊維が単一方向に走るため、繊維に沿っての切断は容易。

 

 ラワン合板の場合

 <音的には> 単板よりも音の重心が下がり、腰の座った安定感がでる。

 <加工のし易さは?> 一番切断しづらく、加工しにくい。

 この様に使用する板によって音が変わってくるわけですが、実際の作業効率を考えると

 加工のしやすさからMDFが主流になるのではないでしょうか。

 また当店では必ずと言っていい程バッフルには塗装をするのですが、塗装する事の利点はなにか?

 と言うと、まず素材が木であるため湿気や水ですぐにボロボロにならない様に塗装にて

 コーティングする意味もあります。

 いわば耐久性を上げる為です。

 また音質面でもバッフルの表面を塗装することによって素材自体が滑らかになるため、

 音の粒立ちが良くなりまた、音と音の繋がりも良くなるため全体的に力強さが出てきます。

 これらのことから単純に見た目だけのカラーリングではないことがわかっていただけたでしょうか?

【バッフルの寿命って?】

 せっかくお金を払ってバッフルを作ってもらってもさすがにバッフルにも寿命があります。

 当店でもたまにスピーカー交換の際、「以前付けていたバッフルが再使用できないか?」

 と聞かれることがあるのですが、実際にそのバッフルを見て見ると無残にもボロボロになって

 しまっている場合が結構あります。

 大体使用年数を聞いてみると3年くらいでかなり痛んだ状態になっている場合が多いようです。

 

 <劣化してボロボロな状態のバッフル↓>

 劣化バッフル1 劣化バッフル2

 (某既製品のバッフルです。写真ではわかりにくいのですがバッフル自体が反ってしまっていて

 しっかり密着しなくなっていました)

 

 前項で書いた事などからもおわかりのように、この場合「再使用は出来ません」とはっきり

 言わせて頂いております。

 ただし車の使用状態や保管場所など使用条件によってどれくらいの期間でダメになるかは

 違ってきますのであしからず。

 また、あまり言いたく有りませんが、作ってもらう所によってはバッフルが適当に作られている

 場合もありその場合は寿命も短い様です。(無塗装であったり、乱雑に切ってあったり等々)

 当然音にも影響がでてきますので単なるスペーサーだと侮ってはいけません。

 ですので、本当はスピーカー取り付け前に作成したバッフルも見せてもらうといいかもしれません。

 (当店では隠すこともなく堂々と見せております。それだけ作りには自信があるのですが。)

 <参考までに当店にて作成したバッフルの一例>

 バッフル バッフル バッフル バッフル

 実際には目にみえない部分なのですがスピーカーをしっかり取り付けるに当たってはかなり重要な

 部品であることがお分かりいただけたでしょうか?

 最後に当店にて上画像のようなバッフルを作成する場合の工賃&作成日数ですが、

 

 ★フロント2枚で¥6,300 ~

 ※大きさや加工の度合い、仕上げによって多少の上下はありますが基本的にはこの価格です。

 ※実際に純正のバッフルをお借りして、取り付けするスピーカーにピッタリのバッフルを

 作成いたします。

 

 ★作成日数は約2日ほどで作成いたします。(フロント2枚の場合)

 

 ★バッフルの内側をスラント加工したい方はその旨をお伝えいただければ

 プラス¥1,050(1枚あたりにて加工いたします。

 

 ご希望の方はお気軽にご相談くださいませ。

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